HiGH&LOW THE 戦国 感想文

HiGH&LOW THE戦国、千秋楽おめでとうございました!毎週新宿遠征楽しい1ヶ月でした。
 
チャレンジとパワーの詰まったザ戦を歌舞伎町の思い出とともに私の記憶から消す……わけにはいかないので、演者とキャラクターに絞って感想などを書いていきたいと思います。過去ツイートと重なる部分もありますが公演中〜公演後に思ったことのまとめとして。
 

浦川翔平さん(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)のオタク
・宝塚は宙組を時々観るぐらい/身内にヅカオタがいる/瀬央さんと水美さんは生では初めまして
 
LDHと宝塚どちらも多少知っているという、おそらくザ戦の中で一番どうでもいい客だったと思いますが、勝手に楽しんでいました。
 

 

・須和国

 

黄斬

「この刀が作るのは100年の平和か、それとも一生の後悔か」

一番好きなキャラクターだし、一番変化が大きかった。開幕当初は掴みどころのない飄々としたイメージが強く、龍の呪いを受けてからは一転まさにハムレットのように狂気の深淵に囚われてしまった印象でしたが、公演後半にかけて強くて切れ者、頼れる須和国の大将が呪いに苛まれて戦えなくなってしまう、狂気よりも黄斬が誰にも見せなかった苦悩が取り巻くようなイメージが濃くなっていったように感じました。どっちも好き。
 
黄斬は仲間を守るため、龍の呪いを押し込めようともがきますが、戦いを望んでいないのも事実。尊武国に攻め込まれても悪作のために刀を抜けず、敗走して憔悴しきった顔で煙管をふかして心を落ち着けようとしている場面がすごくよかったです。もしかすると黄斬は吏希丸の下で参謀をやっているぐらいが幸せだったのかもしれませんが、頭が良くて強かったばかりに……(吏希丸で後述)
千秋楽の「この刀が作るのは100年の平和か」で切なげに刀を見つめ、「一生の後悔か」で吏希丸を見据えるのすっっっごく良かったです。無常〜!これもある意味でto be, or not to beなのかもなぁ、とも思います。「なあ吏希丸、頼むよ 頼むから!」には何度も泣かされました。
 
また座長としての片寄くんのバランス感覚や喋りスキルの高さが客の目線から見ても明らかで、カーテンコールを毎回安心して&楽しみに見ていられるのは大きかったです。
 
「なぜ戦うことを選ぶのか?」「生きてるからだ」のニュアンス、力強い時もあれば妙にスッキリした言い方をされてる時もあってそれが好きだったなあ。最後の「生きろテメェら!」にはは不本意に剣を取らざるを得なくなった黄斬の結末さえも内包していて、いいですよね。辛くても本意でなくても時代に流されたとしても、意志を持って人は生きていかなければいけない……
あと片寄信長も迫力があって好きでした すらっとした体躯に軽装で結った髪を振り乱し燃え盛る本能寺に消えていく信長、めちゃくちゃ良くないですか!?良い
主人公覚醒シーンの「退け!」って燃え上がりますよね。
 

吏希丸

「乱世の頂を見たい、それ以外に理由があるか?」
瀬央さんのことは紅ゆずるさんトップ時代に何度か映像で拝見してると思うんですがこんなにしっかり見たのは初めてでした。超美形!そして芝居がうまい!自然体で須和国のイケメンとして空間に溶け込んでいる。初日からいいなあ〜!と思っていたのですが、毎公演毎公演今ある表現に固執せずどんどんお芝居を変えていかれるのでずっと驚きっぱなしでした。
「乱世の頂が見たい、それ以外に理由があるか?」も序盤はさも当然だろと言うような調子でしたが徐々に黄斬の問いかけに動揺したようなお芝居になっていって(黄斬の方も「お前はなぜ天下を夢見る?」に意志を感じるようになった気がする)パワーバランスの変化を感じて好きでした。
一番好きなシーンは終盤、糜爛の手下を一掃した黄斬が吏希丸に追いつくところ。黄斬の声に振り向く前の吏希丸がギュッと眉根を寄せて辛そうな顔をしているのに気づいた時、吏希丸のことが大好きになりました。
国の主の血を引く吏希丸、先の内乱について「馬鹿な先代ども」と言っているように決して争いそのものを望んでいるわけではないのだと思います。
しかし国の再興と天下(その先の平和)にかける想いは人一倍で、そのためには親友の黄斬の気持ちや自分の命さえも顧みない。子供の頃に砂漠で迷子になっていることや、吏希丸の父でさえ「主の血を引く」だけであることから、須和の皆が物心ついた時には国は既に内乱でめちゃくちゃになっていたのだと思いますが、黄斬も吏希丸も(戒と颯斗も)、見たこともない「かつての緑豊かな須和国」を取り戻そうとしているのが切ないなと思います。吏希丸はその血筋ゆえに「バカな先代ども」と言いながらもやはり国を棄てることは絶対にできないのでしょうね。
国の再興を目指すなら主の血を引く吏希丸が旗印になった方が民も集まりやすい気がしますが、吏希丸があえて黄斬をトップに据えることに拘ったところに強い意志を感じます(先述、黄斬が強くて賢かったばっかりに……)。でも「初めてだな、お前より先を読んだのは」に少し黄斬に対する悔しさとしてやったり感を滲ませているような気もして、それがカッコいい。「儚」の「共に歩む君がいるよ 儚き人の夢 すれ違う時もある」で黄斬に手を伸ばしかけてやめる、あの切なさも2回目以降にすごくきいてくる!
 
吏希丸は物語開始当初は単に「優しすぎる黄斬に龍の力を授け、須和国の再興と天下を成し遂げるため」に糜爛と手を組んでいたのではないか?と思っているのですが、社の刀に宿る念のことは知らず、黄斬は悪作に呪われてしまった。そして幸か不幸か、黄斬が呪われなければ黄斬があれほどまでに争いに傷ついていたことも吏希丸は知らないままだったんじゃないかなと思います。黄斬に「あの時は戦うことが正しいと信じていた(が今は違う)」「戦がなければ殺すことなんてなかった、それでもお前はまだ戦をするっていうのか」と問われたことに対する答えと、黄斬を腑抜けにしてしまったことへの精算として「黄斬に自分を斬らせ、平和のために戦わせる」ことを選んだ……という理解を現時点ではしています。
結局形としては友である自分の夢を争いを望まない親友に自分の命ごと託して叶えさせようとしてるわけで、ひどい男だ!(悲喜こもごも)
片寄くんと瀬央さんのコンビはこのあたりも含め最後の最後までより正解を追求していらした印象でした。
 
あとは公演中の思い出として、一度E列3番に座って冒頭の吏希丸にガッツリ光のない大きな瞳で見下ろされて心臓が潰れるかと思いました。おそらく潤花ちゃんが座ってらしたのと同じあたりの席と伺ったのですが潤花ちゃんがキャッ!となる(カワイイ)のも分かりました……
 
またNO FEAR NO MOREの「掛け違えた昨日がほどけていくように」のところの首の角度に宝塚の美学を感じました。
それから歌!中盤の「見えていないその想い〜」のところ多分ザ戦で一番好きな歌唱シーンです。心地よい。
 

「なあ兄弟!敵の数は?」
衣装から見える上腕がかっこいい!「うんこ座りの似合う悪党」なのに清潔感がある。うえきやさんはザワ→ポルステ以来かな?日替わりのプレゼントの替え歌では耳飾りが颯斗に貰ったものと判明してからずっとこいつら…めちゃくちゃ仲良いな…と思っています。颯斗を「兄弟」って言っちゃうのかわいいかわいい!
腑抜けた黄斬に対する対応がしっかりしてくれと言う戒と気遣わずにいられない颯斗で少し違うところも良い。乱暴だけど憎めない、大雑把だけどやさしい……いいなぁ。
戒が慌てるのもそれだけの黄斬の能力の高さと国の不安定さによるもので、彼自身も呪いをなんとかしてやりたいとは思ってるんですよね。公演終盤にかけて吏希丸と戒と颯斗が三バカトリオになっていってるのかわいかった吏希丸死ぬんじゃないよ
 

颯斗

「待ってるからな」
小野塚くんは特オタだったころからの縁なので嬉しい。
相変わらず息をするように舞台上で生きていられる人だな〜と感じる立ち振る舞いで、それがすごく安心しました。
雨乞いのシーンでどんどん頭に増えていく旗、1ヶ月分の日替わり、でっかい生意気な後輩の躾、全部楽しみでした。
「由緒正しい祈祷師の家系」で社の伝説にも詳しい(社の関係者?)なのに元盗賊なのはやはり内乱の関係なんでしょうか。
戦場で攫われた戒を必死に探してるのかっこいい〜。好き〜。
 

・乃伎国

湧水様

「我が従うは、愛!」
みんな大好きマイティー、という認識だけがありました。
ラスト3日間あたりが特に雄々しくかっこよかった。前楽か前前楽かで「弦流ー!」の慟哭を目を見開いて前を見つめたままやっていたのがすごく好きでした。須和国のふたりがよりよい解釈を追求するなら、この2人はその日それぞれの二人の関係をセッションしていらした印象。
 
殺陣も美しい!納刀したままでの殺陣は棒術に近いのかな?と思いますが力強くも流麗で、また黄斬とのやり取りの前に刀を一度振ってから黄斬に突きつける動作、片足を階段の上段にかけたシルエット、あのシーンの全部がかっこよくて見惚れてしまいました。
歌の方も流石というか、遠慮なく芝居をしながら歌う方だな〜!と思いました。「何たる者」の「刹那な時に微睡む」を歌い上げず儚く抜いて歌うのがすごく好きだった。
 
湧水様と弦流の気持ちが完全に同じ種類の愛であったかどうかは分からないなーと思っているのですが、少なくとも湧水様が神洲崎でなくただの「湧水」であれば弦流の気持ちを受け入れる準備はできていたんだろうなあとも思います。
弦流とは少し年の差がありそうなので、弦流に対しては弟ではないですが、かわいい弦流を慈愛によって守りたいと思っていた部分もあったのかもしれないなー。
「もういい、喋るな」と笑顔を作って弦流の前髪を払い、肩を指で撫でさする仕草に慈しみのようなものを感じた。自分を好いてくれているのは分かっているし、自分も愛おしくは思っているが、その想いには応えられないので彼なりに国を守ることで弦流を守ろうとした…でも一方で時々素をさらけ出して甘えてみたりもするんですよね… 弦流に「〜乃伎国の勝利は確実だ。だがしかし…」と言われた時の「ん?」がすごく優しくて、湧水様のあたたかさと弦流への愛情を感じていました。
でも弦流が龍の力に手を出すほど切実な想いを持っていたとは知らなかったんですよね湧水様。湧水様は最後まで弦流の恋心以外の動機が「自分を神洲崎の宿命と責務から解放したかった」だったことは知らないはず、だから最後の「我が従うは愛」は純粋な弦流への愛情、彼への弔いになるんでしょうか。
このオチ、全体を通して見てもすごく胸がすく感じで大好きです。
 

弦流

「始まる前に終わる恋とはこのことか……さて、どうやって収めようか!」
涙を拭う布を渡す時に手が触れる、その少しの緊張に恋心を感じとった初日の記憶があります。樹くんはずっとそうですけどますます瞳のお芝居がすごいですね!「友として」湧水に請われたときにすこし虚をつかれたように瞳が揺らめいて、でもすぐに「友としての弦流」の顔を作り直す、しかしその友としての気遣いも受け入れては貰えず立ち尽くす、一連の心の動きが繊細で大好きでした。友として、と言われて少しショックを受けて、ショックを受けたこと自体にも少し落胆して……恋ですよね。
死の間際でも(素?)「湧水様」と呼んだのに、糜爛の前では「湧水」と呼び捨てにしているところに少しのイキリを感じてかわいい。
弦流は強くて優秀で有能なのに、湧水様のことになるとコロッと糜爛の口車に乗せられてしまう愚直なまでの愛がかわいいですよね湧水様もそう思いませんか?
あと最期の大立ち回りがもう言葉はいらないぐらいすごい気迫で、弦流という男、また藤原樹という役者の命のきらめきを感じました。
 
儚く健気ですが、基本的に湧水様のことを守りたいと思っていて、叶わないなら世界ごと作り変えようとする狂気もあるし、最後に恋心の落とし所として怪物じみた大暴れをするしなんだかんだ尊武国の男でもあるなあ…と思います。
自分の赤い血に染まっていくライトの中でたった一つ残った青い光、あれは弦流の目に最後に映る世界、湧水様その人だったのかもしれないと思っています。
 
 

稲清水鉄湯

「やはり己の私利私欲のためかっ!」
公演中の癒し、ヘタレでかわいい鉄湯ちゃま…ですが、私は白銀の右脇腹に一撃加えたのは彼だと思っています。
湧水様に命じられ「玄武殿にお伝えしたいことがある」と白銀に叫んだ稲清水が「ここは戦場だ、これで語り合うしかないだろ!」と言われて刀を交えながらハケたあと、次に白銀が登場するのは脇腹を負傷して玄武殿に戦の真実を伝える場面なので、この間に鉄湯が白銀に一撃加えて話を聞いてもらったのではないか?だとすると手負いの状態で大勢の糜爛の手下を相手できる戦闘民族の白銀に無傷で一本取っている……足が震えているのに湧水様のために戦場を右へ左へ駆けずり回ってなおも無傷……ということを考えるとめちゃくちゃ強いかめちゃくちゃ運がいいか、どっちもかですよね。白銀のこと助けてくれてありがとう🎶
エンディングの日替わりで颯斗の腹パンを受けて「全然効いてないよー🎶」とおしりを振っていた時のことが忘れられません。一家にひとり飼いたい、稲清水鉄湯ちゃま。
 

・尊武国

玄武殿

「よく生き長らえた!」
りくさんと翔平さんはなんというか、お互いに信頼関係ってやっぱりあるんだな〜という空気を感じました。
とにかく殺陣がかっこよかった。しなやかでパワフルな野生の虎のような体躯、そこから繰り出される圧倒的な強さ。布の少ない衣装でも他の対象2人より明らかに体格がよく、マッチョだらけの尊武国の中でもそこにいるだけでこれが大将だとわかる説得力。
白銀が「玄武殿!」と呼ぶのを聞いた乃伎国と須和国の兵士が玄武…!?と怯むのが好きでした。首を斬りつけられても死なないし、敵の刀の刀身を素手で掴んだりもする、無茶苦茶!修羅の頂へ♪で兵を斬り捨てるところもいい。
人格は呪い以前から破綻しきっていますが、有無を言わさずカッコイイ。自分を慕って進言した部下を八つ当たりでぶん殴るありえなさ。聞いてるとマジか!?と笑えてくるほどありえないセリフがポンポン飛び出して気持ちいい。つまり全員ぶった斬れば仇は取れるってわけだ…マジ!?
 
影森様に依存しながらも影森様亡き後すぐに影森様の言いつけを破ろうとするあたりのどうしようもなさも好き。
この人もある意味力ある故に生き残ってしまった(長い孤独を抱えることになった)と捉えられる人だけど、黄斬と違って力ある故に良い保護者と良い部下に出会えましたね。
強い孤独を抱え、弱さを指摘されるキャラクターだけど、白銀の言葉あって解いた呪いを「造作もない」と最後まで強がり通してるのがかなり好きです。
影森様はこの怪物を人里に降ろした人、白銀はそれをもう一度人間に戻した人、というイメージ。
宴も好きだしエンディングを見ていると割と冗談も好きそう。賑やかなのが好きなのでしょうか。エンディング後も短気で乱暴なのは変わらないと思っているのですが、今まで人と信じあえなかった分、少しずつ愛し愛され国を愛することを知ってここから立派な城主になれるとも思います。続編に期待。
 

白銀

「そんな刀で死ぬかよ、尊武国を舐めるな!」
もう最高〜だった〜!みんなもそう思うよね〜?!こんな役をあててくれたノリさんも最高〜!HAPPY〜!
初日「強さとはなんだ!」と叫ぶ彼を見て大泣きしました。私は翔平さんが舞台上でそういう風に言葉を放つところが見たかったんだよー!と思った。翔平さんのお芝居の素直さというか、真っ直ぐに心に入ってくる言葉の発し方や感情表現がこれまでずっと(2020年2月から)いいなと思っていて、それが今回さらにレベルアップしていたし、グッと引き立つ役柄と演出だったなと思っています。稽古で周りの方の協力を得ながら、助言を糧にして作っていったというところも含め。
あとキャラデザがめちゃくちゃいいですよね上裸にオーバーサイズの革ジャンとパンツ 小柄さと身軽さを引き立てるサイズ感 胸のあれは動き回ってもジャケットがめくれないようにするベルトだと思うんですが、それもカッコよく落とし込んであって有村先生本当に素敵なデザインをありがとうございます。あと表情によって三白眼になったり黒目がちになったりするのもすごくいい。髪質がちょっと硬そうでボサッとしてるのも可愛い。
殺陣も流石の俊敏さで、格闘と剣術を組み合わせた動きが見ていて面白いしカッコイイよー小柄だからか打ち合った後に体重も使って押し込んでいたり、ダメージの蓄積が動きの鈍り方や体のかばい方にあらわれてて、「生きている」…と思いました。
BANG OUT〜INFERNOのクールさの中に燃え盛る炎を感じさせる眼差しと声も良かった。2階席から見る「舞台花で歌舞こうか」のよさ。
 
本編のほとんどを玄武殿を追いかけることに使っている白銀ですが、彼の個人的な人となりを示す台詞は「天下を治め、尊武国の誇りを全国に広めたい」「ここは戦場だ、これで語り合うしかないだろ」「そんな刀で死ぬかよ、尊武国を舐めるな!」あたりだと思っています。
また、彼はほとんど「自分」を主体にせず、「国」か「自分たち」の立場で話している。
真面目で、戦闘民族尊武国の中核産業である刀鍛冶の跡取り息子(長男っぽい…)として生まれ育った、自国とその文化に誇りを持つ戦士。玄武殿の情緒がうまく育っておらず幼いのもあり、全体としてやや大人寄りのキャラクターだなと感じました。
弦流は湧水様の為なら乃伎国を滅ぼすことも可能だけど、白銀はそれはしないしできないですよね。尊武国そのものくん。
玄武殿に対する「ここは退きましょう」が公演中すごく優しく諭すような言い方になった時期があって、これがめちゃくちゃ好きでした。最終的に必死さを強めに出した言い方になっていましたがそれももちろん事態の緊迫が伝わって良かったと思います。あと「勝利!」「天下!」の合唱の中でやりきれない痛ましそうな表情をしてる白銀も本当にいい。メロメロメロメロ
 
ただ、そんな尊武国の男である白銀が終盤「あなたには死んでほしくないんです」と言っている。私はその一言が彼の行動理由の中でごく個人的な感情に一番近い台詞だったんじゃないかな〜と思っています。白銀が玄武殿を見捨てない理由のうち何割かは生い立ちに対する同情もありそう。
もちろんあの人格を前にしても捨てられないほどの強烈な憧れもあって、そもそも戦闘民族の国のメインストリームで育った白銀にとって「強さ、勝利」は貴いもの、という価値観があるのではないかと思います。だからこそ刀を振るい圧倒的な力で戦場を駆け抜ける玄武殿に惹かれた。
ここからは想像に過ぎませんが、刀鍛冶でありその家業に誇りを持っている白銀が「玄武殿に自分の作った刀を」でなく「玄武殿の下で戦いたい」と思った理由、圧倒的な強さの前に刀の出来不出来など大した意味をなさないという少しの絶望があったかもしれないなとも思うし、単に玄武殿が天下を取るビジョンが見えてしまったからそれを最前列で見届けたいという思いかもしれない。
また、白銀は玄武殿の危うさに元々気づいてはいたけど、影森様という大きな後ろ盾がいたからあのまま天下へ進んでも大丈夫だと思ってたんじゃないでしょうか。でも影森様を失い、誰の言うことも聞かない、誰も止められない、(龍の呪いで)自制もない、でこのままでは本当にいつか孤独に死んでしまう!と思ったからああなった。
輪郭の歌詞を改めて読むと玄武殿が「振り続ける止まらない雨は冷たくて寂しい」と歌ったあとに、白銀は「周りに降る雨は寂しさを洗い流す愛だ 気づいてるのに隠している」(大意)と歌っている。
あと別に玄武殿が「ひとりじゃない」ことに気づいてさえくれれば白銀としては自分でなくても良かったと思うんですよね。そこまでのガッツがあったのが白銀だっただけで。
 
追加で「白銀が誰から玄武殿の過去を聞いたのか」について(あの語り大好き千秋楽めちゃくちゃ良かったですね…それからはたったひとり、の置き方とか…)、公演期間中は完全に「影森様から聞いた」と思い込んでいたのですが、それにしては影森様と白銀のやり取りがお互い白々しく、白銀も玄武殿の心境を想像で語りすぎなような気がしていました。
これもひとつの空想にすぎませんが、もしかしたら白銀は何かのタイミングで(宴の席など?)玄武殿本人から影森様との出会いと「俺は影森様だけを信じている」「弱いお前らは黙って着いてくればいい」というようなことを直接聞かされていた可能性もあるかもしれないと千秋楽後に思い至りました。ただこのパターンでもあくまで玄武殿はそういう話をしたこともその相手が白銀だったことも記憶していないと思う。それぐらいの関係なのがいいなと思います。
 
個人的にはザ戦2でまた白銀と鉄湯の絡みが見られたら嬉しいな!
 

影森様

「なるほど、ですがまだその時ではありません」

影森様、序盤は神職というか、泰然とかなり高い位置におられたような印象なのですが途中から玄武殿に対してより教育的な立場になると同時に温かさも強くなった気がします。
影森様は白銀に「玄武の力に惚れ込んでいるのか」と聞きながら、白銀の述懐の途中からずっと玄武殿を見ているんですよね。言葉以上に玄武殿に対しては思うところがあったのかも、とか昔は玄武殿みたいに荒れていて自分と重ねる部分があったのかも、とか色々考えましたが真相はどうなんでしょう。尊武国の血気盛んなマッチョを多数抱えて皆から敬われているのある意味恐ろしい。
あとは玄武殿が白銀を助ける例のシーンで斬られるのが冨田さんである意味については玄武殿自身の影森様への依存/「俺にはあなたしかいない」という思い込みによる孤独/喪失を乗り越える、という意味での「弱き己に打ち勝つ」象徴なのではないか、ストレートな親父越え/親父殺しともまた違うけれど、広義の自立の意味があるんではないかな〜と思っています。

↑この糜爛の手下さん、「んぁー!尊武国の下っ端かぁー!」がどんどんイヤな感じになっていくのが大好きでした。これが嫌であればあるほど白銀も手下も輝く、お芝居って良いな〜!
 

・そのほか

糜爛様

「人間50年、天から与えられたのは途方もない時間だけだ」

終盤にかけて遊び心が増していってどんどん素敵な悪の華になっていかれましたね。悪役レスラーのような衣装とマント捌きと顔の傷が大変好きでした。美しさは乃伎国の男の特徴…
糜爛様、吏希丸のことは「最後までわからん」と言っていた一方で弦流のことはからかって怒らせて遊んでいたのも好きです。糜爛様、我が従うは何と言おうとしたんでしょうか。人を傷つけ憎み合わせる方法を取ったのは事実ですが、人生に空虚さを感じているであろうところには悲しさも感じます。
鼻が悪いのか通路横でも演者の香りをあまり感じることがないのですが、ザ戦中1回だけ、糜爛様が隣を通った後にすごく甘い匂いがしてドキッとしました。あれ糜爛様の香りだったのかな〜。
 
 
終わり
38公演お疲れ様でした。

CLしょへいつ簡易まとめ

HiGH&LOW THE 戦国から「しょへいつ」(浦川翔平と藤原樹、1997年九州生まれ幼馴染ケミ)が気になりはじめ、かつ有料チャンネル「CL」https://www.cl-live.com/lp?lang=ja に登録する/しているよという奇特な方向けの簡易まとめです。抜けがあったら許してね

 

旧いもの→新しいもの順

しょへいつサシ飲み企画(2018)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/3rzRASdHWM556ESfJhLPkD?lang=ja

↑19:53〜

藤原樹くんの20歳の誕生日を一足先に20歳になった翔平さんがサシ飲みで祝う企画。

小学生〜中学生時代の藤原家お泊まりエピソード、有名な運動会エピソードなどもここ。藤原母からの手紙を翔平さんが代読するシーンも。

自称「これまで一緒にいすぎて逆に気まずい」時期なのでなんとも言えない空気感がある。

 

大阪三本勝負Part3 罰ゲーム足ツボマッサージ(2018)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/hu7iAo8MauWATnfTYmVDc8?lang=ja

↑17:23~

RAMPAGEを3チームに分けて対決させる企画。

最下位だった樹くんのチームはそれぞれ激痛足ツボマッサージを受けることになるのだが…

嬉々として樹くんを押さえつける翔平さんと錯乱する樹くん/勝ったのになぜかオチとして罰ゲームを受けさせられることになる翔平さんを嬉々として足ツボ椅子に座らせる樹くん

 

アノ時のアレを振り返って ホンネでガチトーク〜前半戦〜 (2018)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/i4AMLTYS6ehGTg997GWujo?lang=ja

↑10:54ごろ〜

樹くんのギターに合わせておもむろに踊り出す翔平さん(特に会話はなく終了)

 

Jr. EXILE世代の新年会  叩いて守ってじゃんけんぽん(2019)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/5D6unyHJ8SvYv5vbB16hQL?lang=ja

↑35:50ごろ〜

Jr.EXILE(GENERATIONS、RAMPAGE、FANTASTICSBALLISTIK BOYZ/この後PSYCHIC FEVERが加入)合同の新年会企画。司会はハイロー戦国の脚本でもある平沼紀久さん。

グループ対抗バトル(ランページは人数が多いため2分割)の種目「叩いて守ってじゃんけんぽん」のペアに選出されるしょへいつ、幼馴染アピールによって平沼さんからボーナス点を貰うなどする。

 

ガチTVでやりたいこと!プレゼン大会後編(2019)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/5M4tGmp4vDcMMtVVx5Se1n?lang=ja

↑19:17〜

ランページ16人がそれぞれやりたい番組企画をプレゼンする企画会議回。

大トリになってしまったが喋るのが苦手な樹くんをみんなが囃し立てる中気まずそうに腕を組んで見守る翔平さん。

後輩に煽られて「うっせえよ!!!」と怒鳴った樹くんを見て「…頑張ったなあ」と呟いている。

樹くんの猫好きぶりも大いにうかがえます。

 

「HiGH&LOW THE WORST」完成披露試写会&PREMIUM LIVE SHOW(2019)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/3EUkqoNhm21QYcGmwteuKo?utm_medium=referral&utm_source=referral&utm_campaign=url_share

↑10:05頃〜

ハイアンドローザワースト(通称ザワ)完成披露試写会のビハインド。

鉄湯役の櫻井くんも所属する劇団EXILE佐藤寛太くんがリポーターをつとめています。

佐藤寛太くんも福岡出身で1学年上ですが樹くんと非常に仲が良く、しょへいつに関しても旧知の仲でのちに「初めて会った時なんで一緒にいるのに2人がこんなに違うのかわからなかった」と語っています。

 

THE RAMPAGE16人で行く1泊2日慰安旅行〜第3弾〜 樹バースデードッキリ(2019)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/gu3gcrVAYnmjSP2z8Buzd2?lang=ja

↑29:19頃~

RAMPAGE16人での慰安旅行企画。旅館で樹くんの22歳のお誕生日ドッキリ。

メンバーにお前らチューしろハグしろと囃し立てられたりハグしたり顔面ケーキしたりします。

 

武知海青 SUMMER STYLE AWARD 2019に挑戦!(2019)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/nYZRbNLd4k3BQoARo1taWa?lang=ja

しょへいつと同じ1997年度生まれ、武知海青(たけち・かいせい)くんのボディビル大会への挑戦を2人が応援する企画。

声が大きい翔平さんと声が小さい樹くん/トレーニングマシンで悲鳴をあげる翔平さんとパワータイプ樹くん。

翔平・樹・海青の97年トリオを覚えてください

 

【TRIBE CALL/AFTER TALK】それ何の曲?ゲーム(2021)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/oANsghwFVWs6kdnYY3JbH7?lang=ja

どこということはないですがよく見ると隣で相談したりしている。

 

50 Questions for THE RAMPAGE 〜浦川翔平〜(2021)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/wJzgSSrgjBUxgSsDC6b9tn?lang=ja

5:55~

樹くんの愛猫マースを抱っこしている翔平さんを見てニヤニヤしているらしい樹くんの話

 

50 Questions for THE RAMPAGE 〜藤原樹〜(2021)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/6GugxpLPDrkb2LExLxiYMn?lang=ja

12:52~

樹くん「翔平の第一印象は(中略)今まで見たことない人種でした」

樹くん「(翔平の)好きなところはね〜…俺のこと大好きなところかな。ふふ」

 

【らんぺ寮】新春SP!キャンプファイヤー 〜vol.1〜 (2022)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/dF5cLtx92YDhk7wSb71WeJ?lang=ja

10:28頃〜

2021年に北九州市観光大使に就任した樹くんに翔平さん(2019年から長崎市観光大使)が一緒に何かやりたいね、と持ちかけてNGを出されたり、倦怠期解消宣言(樹くん「(翔平が)勝手に気まずくなってるだけだから!」)があったり。

 

Behind The Scenes of RAY OF LIGHT(2022)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/hDGLxyjWfRexZEybEfi6t4?lang=ja

↑8:45〜

MV撮影中差し入れの焼き鳥を食べるりくしょへいつ(ハイロー戦国組)。

しょへいつの九州豆知識と翔平さんの長崎弁あり。

 

【らんぺ寮】メンバーの地元グルメを味わおう! 〜前編〜(2022)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/hLMA793rDQM4A5G2QLcyTc?lang=ja

6:45~

翔平さんの地元長崎のご当地グルメ「ハトシ」を味わうのは… くじ引きの結果、同い年2人でした。

樹くん「やるなぁ長崎」

 

年末年始はランぺとトランペ!遊び方発明しちゃうよSP(2022)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/kL9EoPczWoELDkZx5twg6t?lang=ja

トランペ(ランページのメンバーが描かれたトランプグッズ)で遊ぶ回。

一生ルールに抗う樹くんとそれを茶化して苛立たせて遊ぶ翔平さん。

 

海青初めてのコースデビューwith翔平・樹(2023)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/ommRaGMSCR1z7xKjHhYSs6?lang=ja

一応全員がゴルフを始めている97年組のゴルフ回。

ずっと樹くんを茶化したい翔平さんと鬱陶しがる樹くんと嗜める海青くん、かと思いきや急にしょへいつ揃ってボケ始めたりする。海青くんがさばく。

 

【ぶらぶらんぺいじ】福岡編(2023)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/4vSi63AnaMEorDHg4x3vBJ?lang=ja

しょへいつ+ボーカル吉野北人(二人より1学年上)の九州出身トリオが福岡でフグを食べたりする回。

撮影が福岡でのライブ当日の朝なので全体的に疲れでテンションが低いですがゆるい空気が好きな人はぜひ。

ちなみに吉野北人+藤原樹の「ほくいつ」は2人ともボケにツッコんでくれないので、翔平さんはこの3人はやりにくいらしい。

 

× THE RAMPAGE(コラボ・ザ・ランペイジ) 「HiGH&LOW THE 戦国」 #3(2024)

https://www.cl-live.com/programs/ondemand/fJLDcWyYi4dzz7hM9FymX3?lang=ja

ハイロー戦国企画。

このハイロー戦国企画は#1-3まで大体こんな感じでふざけていますが、この叩いて被ってじゃんけんぽんが特に正月の親戚みたいなテンションで良い。

 

 

いかがでしたか?以下略

誰かの何かの足しになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

フィーダシュタント 2幕 日本語歌詞

1幕:

https://kanari-kawachi.hatenablog.com/entry/2023/11/17/210702

 

M15 ライナーの手紙/アベル・ハーゲン・ジャスパー・フレドリッヒ

君は読むのだろうか
もしかしたらいつか誰かがこの手紙見つけるのか
君がこれを読むとき
僕はもう君の世界にいないね

一緒に過ごした時間と
残酷で美しい瞬間
枠の中に封じ込めた僕が
息を吸えたのは君がいたから
その全部鮮明に憶えてるよ
憶えてるよ (憶えてるよ)
憶えてるよ(憶えてるよ)
憶えてるよ
僕は全部を憶えてるよ

ジャスパー「相当仲が良かったようだな」
ハーゲン「これがフレドリッヒなわけがないよ」
アベル「この手紙を、フレドリッヒに送ってみたらわかるんじゃないか?」

僕の全部愛してくれたね
無謀で危うい正直さも
だけど僕の道選ばないでくれ
絶対 生き延びて
そして時が流れたら
僕のことを聞かせて
そして時が流れたら
僕のことを聞かせて

僕のことを聞かせて(僕のことを聞かせて)
僕のことを聞かせて(僕のことを聞かせて)
僕のことを聞かせて(僕のことを聞かせて)
僕のことを聞かせて

一緒に過ごした時間と
美しく危うい剣先
時に2人剣を向けたけれど
それも共に戦ってたんだ
(僕のことを聞かせて)
今その全部僕は憶えてるよ
僕のことを聞かせて(僕のことを聞かせて)
僕のことを聞かせて(僕のことを聞かせて)

『12月19日、深夜3時 地下室で待つ』

 

M16 君のために/マグナス・アベル

ア:なぜ僕はここにいる?
僕も彼らと変わらないだろう
同じ皮膚の下 違う血が流れ
さあ踏みつけろ僕を 君の足で

マ:なぜ僕らはここに来た?
僕は前と変わってないだろう
僕らの夢と違う現実
守りたい君と僕 自分の手で

軍人になる学校
せめて僕ら 僕らの身を守れるように
力が欲しい 君のために!

ア:僕の?

マ「ああ…そうだよ!」

マ:皆が黙る理由は 声出せば死ぬから
折れなければ折られるんだ

ア:考えず折れれば安全なのか?
君はなんのために

マ:力を持て 権力が守るよ僕らを
君を

ア:僕を?

ア:素直になったらどうだ?

マ(だったら正直に)

ア:言えよ、高く上り詰めたいと

マ(上り詰めたい)

ア:上っていけよ 踏みつけ守れ
でも僕のため? 嘘はやめろよ!
今はっきり見える

マ(目に映る僕)

ア:目に映る僕

マ(いつも君は正しい)

ア:もう必要ない 助けも 偽善も
君なんていらない!

マ「アベル!」

マ:忘れるなその言葉 僕をいらないと
まっすぐ目を見ろ
あとで助けてくれと泣きついてくるなよ

マ・ア:僕らを捨てたのは君

マ:全部掴んでみせよう この手で
僕のために

ア:君の

マ:僕の

ア:ために

 

M17 疑問/アベル

2人のあの日の誓い どこでずれたのか
はじめからだったのか

時が過ぎるほどに 息苦しく不安が増す
いつまで耐えられるのか
胸の疑問の重さに
なぜ僕はここに来たのだろうか
いつまで混ざれるのか
平気なフリして

理由などない検閲 自由に書けば削られ
理由なき死者を見ながら
どんな気持ちで生きるのか

いっぱいあるんだな 僕より大事で
僕の自由より偉大だな
今のまま生きていちゃ
僕に似ている人たちが ただ死ぬのを見ていた
決まった答え繰り返し
偽りの僕を演じながら
どう僕は耐えるんだ?
どう僕は生きるんだ?
どう僕は耐えるんだ
どう僕は生きるんだ
疑問あふれ 思いあふれ
零れそうな胸の中
なぜ生き続ける

 

M18 フィーダシュタント2(M14リプライズ)〜権力2(6リプライズ)/アベル・ハーゲン・ジャスパー・マグナス

1933年3月22日
ドイツ初の収容所がダッハウで稼働
それ以降 あちこちで 大量に
建てられた

ジャ「じゃあもう全部完成してるのか!?」

ユダヤ人 ジプシー 同性愛者 障害者
政治 宗教 ナチと違えば
逮捕され裁判なしで収容所に送られた

ヒットラーのドイツ 僕ら知らないドイツ
嫌悪の毒 広がってく

僕らだけの話じゃない
広く知らせ問いかけて
皆一緒に立ち上がるんだ
感情よ目覚めろ

ジ「感情ならいい方法があるぞ!」

フィーダシュタント 新しい感情
フィーダシュタント 全く違う思い
鉄じゃない 熱い血でできてる
僕らの心臓 若く強い心!
フィーダシュタント 僕らが守り抜け

フィーダシュタント 僕らは殺さない
フィーダシュタント 暴力に立ち向かう
フェンシング選手だ 軍人じゃない僕達は
武器に反対する
利用されない戦争に!
フィーダシュタント


権力、階級、優遇!
いつか君も分かるだろう
従順、適応、服従
ここで生きてくすべはただひとつ
権力

権力、階級、優遇!
僕の命令に君が従う理由
従順、適応、服従
嫌なら僕を踏みつけ上がれ
権力、階級、優遇!
フィーダシュタント
権力、階級、優遇!
フィーダシュタント
権力、階級、優遇!

 

M19 ライナーの死/ライナー・フレドリッヒ

15歳 強かったライナー
全然相手にならない僕と友達になろうと
わざと負けてくれた
他とは違ったライナー
時が経つほど 疑問が募っていった

ラ・フ「暴力で考えを変えられると思うのか?」

最初は無邪気に質問
そしていつしか 反抗と反乱夢見た
ここを変えたかったから 暗号作り
互いに贈った

Rebell 僕らだけの暗号 だんだん
Revolte 重たくなって
mein Freund 軽かった感情も
und mehr 色濃くなった

僕ら他とは違うようだ(他とは違うようだ)
ここを出て(ここを出て)
他とは違う道 (他とは違う道)生きよう
ここを出て

フ「僕らは学校の外へ逃げる計画を立てた。だがある日突然、二度と知ってる振りをするなと言われたんだ」

ある日 死んで見つかるライナー
誰も見ていない
理由も知ることできない
だが取り乱さなかった
だって これまで何人も同じように死んだ

ライナーの死は葬られて
僕は残された
時間だけが流れた
マスク被り 何もなかった振り
傷など全然ない振り
すべて完璧な振り
沈黙し続け
沈黙し続け
何も言わず ここまで来た

 

M20 僕らの剣2(M1リプライズ)/アベル・マグナス

どこに向かうのか どう戦うのか
少し分かってきた
土を払い 起き上がり
ベストを尽くし 立ち向かえ

マ「アベル、はい!」

何もない僕に教えてくれた
背筋伸ばし 剣持つすべ

この剣を持ち 黒い闇を切り裂き
光を見つけて でっかい夢を見た
剣を持ち 2人で世界 覆して
恐れずに 前に進み 僕ら守る夢
あの日 誓ったんだ
僕らは二度ともう倒されやしないと
誓う(誓う) この剣に(この剣に)
命懸けて 互いを守ると

マグナス「アベル?」

疑問あふれ 思いあふれ
こぼれそうな 胸の中――

マグナス「アベル!!」

 

M21 ドイツの青年たち2(M3リプライズ)/全員

優れた青年よ ドイツ
(その)力見せつけろ
選ばれし青年たち(選ばれし青年)
明日のドイツ導く 我ら

 

M22 諸刃の剣2(M2リプライズ)/学生たち

マ:儚げに 光断つ一筋
まるで氷の上か
諸刃の剣 全てが危うくて
僕に今残されたもの

フ:墜落した心 マスクで覆い
ハ:逃げ出したい心 剣で隠し
ジ:壊れない心持つんだ
全員:世界に立ち向かうため
マ:君の価値と 君の存在 残すため
今こそ

全員:一歩先はfame 一歩退けばfall
賛美と破滅 紙一重
一歩先は勝利 一歩退けば敗北
善と悪は 紙一重

予測できないゲーム 若さと魂かけて
敵を斬るのか 防御するのか
決める 剣を持て

マ:君のためだと 目を逸らした
最高の選手に のし上がりたかった
登りつめれば 叶うと思った
ようやく僕の心が見えた
もう戻れない 許されない
何をすべきか ここで今

ハ「モールス信号!?」
ハ・ジ・フ「『フィーダシュタント』!」
「『僕が勝利して』」
「『ヒットラーを』」
「『殺す』」

マ・フ:僕がすべき唯一の選択
マ:君を傷つけ
フ:誤解してた僕が
マ・フ:ここですべき最後の選択
君の想い未来へと 繋げるのなら
絶対 勝つんだ
マ:この手で
マ・フ:この剣で
この僕が 決めるんだ

 

M23 フェンシングの始まり2(M10リプライズ)/学生たち

ア:フェンシングでは 感じたんだよ
マ・ア:僕は生きてる とてもはっきりと
この手剣を持って 戦った 運命の瞬間
忘れない

ハ・ジ・フ:
初めてフェンシングでは 感じたんだよ
僕は生きてる とてもはっきりと
剣を何よりも好きになった
初めて僕が――

 

フィーダシュタント 1幕 日本語歌詞

※M2のみ「一歩先は𓏸𓏸〜」にあたる単語が分からず、音をそのまま記載しています

※歌割り、曲中台詞に関しては記載しているものとないものがあります

※各曲タイトルは韓国版からの翻訳・意訳

 

M1 僕らの剣/マグナス・アベル

この剣を持ち 黒い闇を切り裂き
光を見つけて でっかい夢を見た
あの日 誓ったんだ
僕らは二度ともう倒されやしないと
誓う この剣に(この剣に)
命懸けて 互いを守ると

 

M2 諸刃の剣/全員

遠ざかる闇 始まる夏
見ろ この瞬間を
過去は忘れ 勝利に進め
我らに完璧 ドイツに栄光
太陽の時代を

儚げに 光断つ一筋
まるで氷の上か
諸刃の剣 全てが危うくて
僕にはもう ただ1つだけ

負け続けた心 マスクで覆い
逃げ出したい心 剣で隠し
壊れない心持つんだ 世界に僕を見せるため
僕の価値と 僕の存在 証明しよう
今こそ

一歩先はファール 一歩退けばフォール
称賛と侮蔑 紙一重
一歩先は勝利 一歩退けば敗北
光 暗闇 紙一重

予測できないゲーム 若さと魂かけて
敵を斬るのか 防御するのか
決める 剣を持て

 

M3 ドイツの青年たち/学生たち

逞しくて美しいドイツの青年
理想の学生
意志のもとに集まった青年は
なんと美しい(なんと美しい)

「我々はドイツのため、我々の若さと情熱、我々の命を捧げることを誓います」
「誓います!」

ドイツの青年は強靭だ 感情に流されない
涙と慈悲は捨てろ 弱肉強食の世界
ドイツの青年は服従する(服従!)
無駄な考えなどない(ない!)
命捧げる覚悟(命捧げる!)
祖国のため 勝利のため

使命感と所属する誇り ああ
意志のもとに集まった青年たち
美しい我らひとつになれば ああ
誰も我ら阻めない

逞しくて美しい ドイツの青年
(感情に流されない)
理想の学生 理想のドイツの青年
(涙と慈悲捨てろ 命懸けろ)
優れている僕

優れた青年たちよ(優れた青年よ)
その力見せつけろ
選ばれし青年たち(超越している)
我らドイツ率いる(ドイツの青年)
世界を救う「世界を!」
ドイツを救う「ドイツを!」
ドイツ導く 世界導く
非凡な 偉大な
秀でた 純粋な
ドイツの ドイツの
青年
ドイツのため ドイツのため
勝利のため!

 

M4 フェンサーの心得/クレア・学生たち

初めて触れた麗しさ
心臓を射抜くほどに完璧
長くて細い金属
硬いガード 刃の銀色
握るその瞬間 明確に認識
強さってこんな感覚
初めての瞬間 正しく理解した
私が望む私を

「基本動作から始める。アンガルド・プレ。アレ!」

速すぎる
遅すぎ
慎重すぎる
無謀すぎ
冷たすぎ
熱すぎだ
常に中心を守れ

「お前たちは今から1チームでありライバルだ。誰からやる?……フレドリッヒ」
「はい」
「アンガルド・プレ…アレ!」
「うわぁ…本当に完璧だな」
「だが、完璧が短所になることもある。枠から抜け出そうとしない傾向が相手に読まれたら……こうやって、予想外の攻撃で不意をつかれる」
「肝に銘じます」
「次、ジャスパー」
「僕ですか?はい!」
「アンガルド……プレ、アレ!」
「ははっ、あれがフェンシングって言うのか?」
「ジャスパー・ミュラー、フェンシングをどこで習ったと言った」
「はい、近所のおじいさんから習いました!」
「お前のフェンシングには根本がない。フェンシングは品格ある名誉なスポーツだ。来い。礼儀と基本を守って剣を扱うことが重要なんだ。姿勢を見ればどうやって生きてきたかがわかる。真っ直ぐ立て。肩、尻、腕、膝、足の方向。常に美しい姿勢を維持するように」
「はい!」
「ハーゲン、アベル。アンギャルド・プレ…アレ!」

ゲームは単純じゃない
反射する過去のチョイス
攻めるか 守るか 選ぶ時には
本能だけ ピストの上 その瞬間
「全てが見える」
君がどう生きてきたか

「フレドリッヒ、マグナス。アンガルド・プレ…アレ!」

技術より判断力より 己を知るべし
中心を守れ
フェンサーの心得(フェンサーの心得)
フェンサーの心得(中心を守れ)

 

M5 授業/学生たち

ア「お父さん、お母さん」
ジ「おばあちゃん、おじいちゃん、ママ、パパ!」
ハ「父さん」
ジ「弟・妹たち!」
ア「僕は元気に」
フ「僕は元気にしています」
ア「心配しなくていいですよ。学校は僕が思っていたものとは違いますが」
マ「フェンシングを本格的に習うことが出来ますし」
ハ「武器についても好きなだけ学んでいます」
ジ「食べるものは沢山くれるよ!」
ハ「父さんにとって絶対に恥じない息子になって」
マ「必ずここで認められて帰ります」
ジ「それにしても、ここは目まぐるしく忙しいよ。朝になると…」

フ「起床!」

6時 運動 美しい一日の始まり
8時 朝食 好きなだけ頬張るパンとバター
9時に始業ベル 理解できない授業たち

マ「アベル!」

フレドリッヒ「1限目 進化論」
世界は激しい生存競争
生きたいなら戦え
勝者が残る 自然の摂理
支配するは優れた人種
我ら支配者 彼ら微生物
劣等種を排除し
純粋な時代をつくれ
フレドリッヒ「そのために必要なのは」
戦争

ア「ですが先生、これってどういう…」
ク「質問禁止!」

ジ「2限目 合唱の時間!」
団結の手段 歌声合わせ
ひとつになれ強くなるために
我ら団結 彼ら分裂
ひとつの思考 結束だ
ひとつの声で歌おう

ジ「でも、なんでジャズは禁止なんですか?」
ク「質問禁止、座れ」

6時 夕食
ひと時も乱れない毎日
8時 自主トレ
もっとフェンシングがやりたい
9時には寝る準備
夢で溢れる僕ら
毎日がへとへとで思考回路も霞む夜
辛さ感じる前 眠りに落ちてる夜
なんか、息苦しい

ア「1938年10月20日、愛する息子」
「マグナス」
「フレドリッヒ」
「ジャスパー」
「ハーゲン」
アベルより。」

 

M6 権力/フレドリッヒ・学生たち

フ:足踏み入れた瞬間 個人はない 集団行動
同じルール 同じレール 自己の統制
絶対服従

ジ:質問、疑問、反抗
フ:これまでのすべてを捨てろ
ハ:従順、適応、服従
フ:学校で生きてく術はただひとつ
権力

フ「ふたり、椅子の上に上がって正座しろ。……正座!」

フ「……まだ、同意できないか?」
ア「理解できないことにどうやって同意するんだ」
フ「同意するまで処罰を与える」
ア「暴力で考えを変えられると思うのか!」

マ「おいやめろよ!アベル、大丈夫か?立てるか?」
フ「マグナス、10点減点。50点減点!」
マ「お前がなんだ、やれるもんならやってみろ!」
フ「……100点減点。マグナス・ヴォルカー、もはや最下位につける階級バッジもない 。次に忠告を受けたら、フェンシングチームを辞めてもらう。アベル・ルター、ジャスパー・ミュラーは2週間、地下室に監禁する」
マ「何?この野郎!」
ア「マグナス!」

ハ:権力、階級、優遇
フ:僕の命令に君は従えばいい
ハ:従順、適応、服従
フ:嫌ならば僕を踏みつけ上がれ
ハ:権力、階級、序列
フ:君は今どの立ち位置か
ジ:権力、階級、序列
フ:踏むか踏まれるかを選べ
ハ・ジ:権力!階級!序列!
フ:選べないなら
ハ・ジ:権力!
フ:黙って静かに!
従え

 

M7 僕の剣/マグナス 

なぜ 何も言えなかった
抵抗もできず 卑屈にうなだれ
なぜ 恐怖を感じたのだろう
締め付ける視線に息が詰まる
何にもできない あの感じ

なぜ ここに来たのか
無力な傍観者 再び無視されるため?
「いや!」
もう 二度と 死んでも
絶対 僕は

剣を持つと 僕が僕になる感じ
今度は忘れない 見つけた僕の
強さも 速さも この手で 僕が決めるんだ
気合と 態度 誰一人へし折れない僕の
プライド この剣 友達 僕の大切
この価値 この意志 この僕の全て

あの頃には戻らない もう戻りはしない
何もできなかった頃には
これから この剣で守る
この手で この剣で守る
これから この剣で守る
君と僕 傷つかない
僕の剣で始めよう

 

M8 自由/アベル・ジャスパー

ジ:デューク・エリントン、アームストロング
好きなだけ聞いてたラジオ
金曜の夜は ベルリンのジャズバー
トランペッターは父さん
なんだか自由だ

ア:ヘルマン・ヘッセヘミングウェイの本を
好きなだけ読んだ机
朝が来ると ベルリンの図書館
一日中本を読んで
夢見た日

ジ:あの日 止まった音楽
トランペットで軍が行進する

ア:軍人が押し寄せ 本を燃やした
真っ赤な広場

ア:奪われたストーリー
ジ:消えた音楽
ア:静まるアーティスト
ジ:うるさい世界

ア:僕の先生たち
ジ:つるんでた仲間たち
ロマンを楽しんだ日々
ア:本の中では 僕は冒険家で
ジ:自由に過ごした
ア:考えた
ジ:想像した

ア・ジ:日々
自由に

 

M9 カラビーナ/ハーゲン・学生たち

ハ:ブロンドのあの娘より 弾丸が眩しい
脆い人間より丈夫な クルミのストック(bang×4)
すべすべ綺麗な君のボディ(woo)
官能的なトリガー (ah)
今夜僕らがどんな凄いこと(ba)
するのか(ba)知らない(ba)
だろうね (du wa du wa pa)

僕のカラビーナ
今夜僕と君はひとつ 敵を殺そう!
(pa pa pa pa pa la pa)
血まみれにして残酷に 苦しめて
みんな殺そう!

ジャスパー「狂ったやつ!」

ハ:狼より鋭くて (howl)
黒い君の銃口
曖昧な人間より正確 君の望遠スコープ

学生たち:戦争と混乱の世界で永遠の功績を
今宵 ふたり 偉大な闘争の
歴史的現場に立ち会う
(DA DA DA!)

ハ:脳みそ吹き飛んで 血がドクドク流れ
目ん玉飛び出る見学もできるかも?
内臓が飛び散り 手足は切り取られ
戦慄が駆け抜ける 僕の身体中に Ah!

学生たち:僕のカラビーナ(君はカラビーナ)
今夜僕と君はひとつ 敵を殺そう
(バッサバッサ殺そう!)
最高の快感に酔いしれて 皆殺し
ひとり残らず!

 

ク「諸君たちは今、名誉ある歴史の一場面を作っている。本日我々は自らの手で直接悪を処分し、正義を成し遂げ、ドイツを守り抜く!ドイツの青年らしく、恐れることなく、強い心臓を持って出ていくのだ。担え銃!」

フ:ヒットラーの青年 恐れなどしない
(ヒットラーの青年恐れなどしない)
ハ:僕のカラビーナ
フ:感情に支配されない
(感情に支配されない)
ハ:恐れない
フ:どんな状況でもブレたりしない
(どんな状況でもブレたりしない)
ハ:僕のカラビーナ
フ:絶対服従
ハ:任務遂行だ
(絶対服従任務遂行だ)

ク「前に構えろ。射撃準備。2時の方向に照準。装填!」
ハ「えっ…?」
ク「ハーゲン・アクスマン、射撃準備。射撃準備!撃て……撃て!撃て!!」
(銃声)
ハ「うわっ…うわああああ!!!!」
フ「……学校に戻る。後退!」

ハ:脳みそ吹き飛んで 血がドクドク流れ
戦慄が駆け抜ける 僕の身体中に――

 

M10 フェンシングのはじまり/マグナス・アベル・ハーゲン・ジャスパー

マ:野心家だった父さん
失敗し溺れた 酒と暴力
怖かった
いつも真っ暗な家
僕は震えて
陰の中 息潜め
まるでそこにいないように
存在しないように
まるでそこにいないように
存在しないように

ハ:勲章が自慢の父さん
息が詰まる雰囲気
序列決めつけ 秩序を強いる
弱い僕を見下す目
避けて陰に隠れてた
僕を見ることすらなかった
まるでそこにいないように
存在しないように

ジ:8人の芸術一家
自由な家の中
いつも音楽や絵に溢れ
夜はさすらい昼間はジプシーとつるんだ
バカにする人たち
僕は微笑んで知らん振りしてた
ある日誰かが僕に剣をくれて言ったんだ
『内なる怒り君を動かす』

マ・ジ・ハ:だけどフェンシングでは感じたんだよ
僕は生きてる とてもはっきりと
この剣を持ち 初めて僕になったんだ
初めて

ジ「アベル、君は?」
ア「僕は話すことはない」
ジ「またぁ、どうして始めたのか言えよ!」
ア「いいよ……ただある日、ある子が剣をはいっ、てくれて、言ったんだ」

ア:僕らは僕らが守ろう いつどこでも
この剣で 互いを守ろう

ハ・ジ:初めてフェンシングでは
マ(自分で立って)
ア・ジ:初めて感じた
ハ(強くなる)
ア:僕は生きてる
ジ(怒りを出せた)
ア・ハ・ジ:初めて
マ(みんなが僕を見た)
ア・ハ・ジ:剣を何よりも
全員:好きになった
初めて僕が
ハ「息子に」
ジ「人間に」
マ「自分に」
全員:なれたんだ

 

M11 モールス信号/マグナス・アベル・ジャスパー・ハーゲン

ライナーここに眠る
「M-a-c-h-t…<Macht>」――不当な権力に
「<Wahrheit>」――真実
「<Versteckt>」――隠蔽された

「W-I-D-E-R-S-T-A-N-D…」
<WIDERSTAND >――抵抗しろ
<endigen>――断ち切れ
このループを
<Solidarität>――みんなで
歴史をまた 始めよう

 

M12 水晶の夜/ハーゲン

ハーゲン「ちょっと待って……昨日のニュースだ!」

1938年11月9日に
ドイツ中の窓ガラスが壊され
一晩で 町ごと 真っ黒に焼かれた

7000の店と 29のデパート
171の家 193のシナゴーグ
3万のユダヤ人が逮捕
91人が命落とした

ヒットラーのドイツ
割れたガラスがきらめいた日を
水晶の夜
そう呼んだ

 

M13 我が光/マグナス・クレア

ク:光が 小さな光
マ(とても小さな)
ク:まだ形も色も明確ではないが
私には光が見える
マ(ここに小さな)
ク:どんなことも 夢も 吸収しようと準備する
透明な状態の 我が光

誰よりプライド高く負けず嫌いな
君に平凡は似合わない
もっと欲しいんだろう?
そうだろう
君の夢 なんでも叶うように
望むだけ飛べるように
稲妻に乗って そのすべ教えよう
人の足元這うことなど もうさせない

マ:僕の光
光が ようやく小さな
僕の価値 初めてわかってもらえた
そうだ僕はもっと欲しい
広い世界待っている
見てくれている 誰かが
誰かの次は――

ク:世界が見るだろう
マ:僕を 世界中が見る
ク:君を
勝つ術を教えよう
マ:二度と負けない
ク:私が教えよう
マ:二度と踏まれない
ク:皆が我ら見上げる
マ:皆が
ク・マ:我ら知ることになる日
ク:君の横で
マ:あなたの横で
ク:作ろう 歴史を

単純なことだ 複雑に考えず
私を信じてついてくるならば
光を 世界に

ク・マ:見せてやろう

マ:……僕の

 

M14 フィーダシュタント/全員

ア「僕たちがここに来た理由は、それぞれ違う!」

プールの青い水
グローブとサッカーボール
素晴らしい馬
光放つ剣

僕らはアスリートだ
偉大な選手になる
心体磨くため 入学したけど

学んだのは嘘ばかり
学んだのは嘘ばかり

軍人育成機ヒットラー
戦争のため鍛錬させて
辱めて 恐怖を煽る
序列と競争 奪われた自由

誇れる選手じゃなく
服従する兵士をつくる
僕らここを出られない
卒業したら軍隊に行く
スポーツは餌にすぎない!

同じ人間に 同じ考えに
同じ武器にみんな育成される
学校
体染み込み 心侵され
いつの間にか皆洗脳されてる
学校

フィーダシュタント 僕らよ目を覚ませ!
フィーダシュタント 抗い立ち向かえ!

水かき分ける手で
ボールを蹴るその足で
強い拳 この剣で
僕らよ立ち上がれ!

フィーダシュタント

 

フィーダシュタント
僕らの運動 僕らの行動 僕らの感情
僕らが選ぶ フィーダシュタント

美しい世界 汚すものたち
全て捕らえろ

見ないふりで 従うのか?
全部
抵抗しよう!

 

フィーダシュタント!
ドイツのため!